日本東京都世田谷区, 〒158-8531 東京都世田谷区上用賀6-25-1
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※診療科によって異なる。詳細はホームページもしくはお問い合わせを。 |
用賀駅と千歳船橋駅のほぼ中間に位置する「関東中央病院」は、公立学校共済組合の職域病院として昭和28年に開院。現在は組合員に加え、約90万人の世田谷区民の医療を支える中核病院として、地域になくてはならない病院となった。質の高い医療に加え、人間ドックなどの健康管理やメンタルヘルスの分野でも多くの患者を支えてきた実績は大きい。さらに、心臓疾患や内視鏡外科手術、ラジオ波焼灼療法、前立腺肥大症治療など、全国的にもレベルの高い医療を提供しており、世田谷区以外にもさらに広く門戸を開いている。東京大学名誉教授で、緑内障のエキスパートとして世界的に活躍する新家眞院長を中心に、「心あたたかく、日々新たに」という基本理念のもと、質の高い医療を温かい人の心で提供している点も注目に値する。地元住民の信頼を築いてきた病院の歴史や、現代のニーズに応える地域医療の在り方について伺うとともに、新家院長のモットーや趣味のことまで、じっくりと伺った。
(取材日2013年5月22日)
当院は昭和28年より公立学校共済組合の職域病院として出発しました。昭和32年からは組合員に加え、地域住民の健康を守る役割を担う立場となり、世田谷区の中核的医療機関として、常に質の高い医療を提供して参りました。全国8カ所ある公立学校共済組合直営病院の中では最大規模の病院で、病床数462は世田谷区では最大規模を誇ります。現在は、高度な医療技術のさらなる向上と、特色ある新たな診療科の設置を積極的に行っており、当院での治療を望まれる全国の患者様に広く門戸を開いています。昔から東京大学医学部と縁が深く、強いネットワークがあります。人事や医療連携も活発に行われており、当院で対応が難しい場合は、東大病院へご紹介し、協力して治療にあたります。また、昨年9月には世田谷区唯一の地域医療支援病院として、東京都に承認されました。地域の医院やクリニックと役割分担や連携を図り、さらに地域医療に貢献いたします。
特に大きな特色がある分野は「心臓疾患への対応強化」切らずに治す内視鏡手術の実施」「ラジオ波焼灼療法」「最新の前立腺肥大症の治療」が挙げられます。当院は入院患者の平均年齢が76歳と高く、地域の高齢者にとっては欠かせない急性期病院です。このような特性を鑑み、高齢化に伴う心臓疾患の増加に対応するため、新たに心臓血管センターを設置し、循環器内科と心臓血管外科が協力して診療に当たっています。同分野では世田谷区で唯一のCCUネットワーク加盟施設であり、急性大動脈スーパーネットワーク支援病院です。虚血性心疾患や大動脈瘤、大動脈解離の救急に24時間体制で対応しています。狭心症や心筋梗塞の血管内治療を得意としていますが、最近は足に行く血管が細くなったりつまったりしている状況を、カテーテルで広げる治療も積極的におこなっており、年間のカテーテル実績は世田谷区内でトップです。
東大病院肝癌治療グループが導入した「切らずに治す肝臓がん(ラジオ波焼灼療法)」を実施しており、2011年までに約2000件を超える治療実績があります。大腸がんに代表される転移性肝癌の治療件数は国内トップ3に数えられています。転移性肝癌に対する治療の第一選択は外科的切除ですが、がんの広がりや患者さんの年齢・希望により切除が行えない方も多数いらっしゃいます。ラジオ波焼灼療法では基本的に90%以上で腫瘍の縮小あるいは消失が期待できるため、化学療法などを組み合わせることでさらなる生命予後の向上が期待できます。実際の治療方法は超音波(エコー)で観察しながらがんに針を刺し、針につながれた機械のスイッチを入れると針先から3?の範囲に熱が伝わり、がんを死滅させるというものです。3?程度のがんであれば12分間で、2?以内ではわずか6分ほどで治療は完了します。同じく内視鏡を用いて胃がん・大腸がんを切らずに治療することができます。大腸ポリープ、早期大腸がんであれば、おなかを切らずに内視鏡で切除するため、日帰り手術が可能です。
前立腺肥大症に対しては、従来の手術よりも出血と術後の鎮痛が少なく、より安全に行うことができる経尿道的ホルミウムレーザー前立腺核出術(HoLEP)を全例で施行しています。これは内視鏡の先についたレーザーメスで確実に治療する、世界でも先行した手術で、都内で実施しているのは数施設に限られています。2011年に開催されたWCE世界泌尿器内視鏡学会では当院の医師がホルミウムレーザー前立腺核出術の手術手技講習会の講師を務めました。
はい。乳がんをはじめとする乳腺疾患は増加傾向にありますが、実に多様で、がんをはじめとした疾患に対して適切な検査・診断と治療が求められています。乳腺外科は世田谷区および沿線地域に根差したブレストセンターの役割を目指して、2011年に設立されました。温存手術が主流で、同時再建もほぼすべてに行っています。複雑な技術を必要とする全摘後の乳房再建も、経験豊富な形成外科の専門チームとの協力で施工可能です。形成外科、放射線科、病理科などその他の診療科と連携して治療を進められることは患者さんにとっても大きなメリットです。
病棟は50床の開放病棟で、19歳以下の方が対象です。思春期の精神疾患の増加が社会的にも問題になっていますが、入院を必要とする患者の治療ができる病院は東京23区内では当院だけです。そういう意味では子どもたちの教育を支える一助となっていると思っております。主に神経症や不登校、パニック障害、摂食障害、統合失調症、気分障害などの疾患を扱っています。他に治療できる病院がほとんどありませんので、入院まで少しお待ちいただくこともあります。なお、外来は児童期、思春期だけでなく、成人期、老年期の方の不眠症・うつ病・神経症など一般の精神科診療も行っています。
私自身は眼科医です。なかでも緑内障の治療が専門で、日本緑内障学会理事長も務めています。40歳以上の緑内障有病率は4〜5%と言われていますが、自覚症状が乏しいため、見過ごされることも多い病気です。世田谷区の人口が90万人で、40歳以上が半分として、その4〜5%が緑内障だと考えれば、約2万人が潜在患者と言えるわけです。私自身も現役で手術を担当していますが、ぜひこの機会にこの病気のことをもっと知っていただきたいですね。緑内障に関しては。東大病院からも紹介を受けて当院で手術・治療をさせていただくことも多いです。患者層も幅広く、遠くは島根や北海道から通われている方もいらっしゃいます。
私が高校生だった頃は高度成長期で、工学部万能の時代でした。医学部に進んだのは、小さい頃からお世話になった先輩が医学部に進み、医者になったことの影響が大きかったです。その先輩が「医学部はいいぞ」と常々おっしゃっていたので、その気になって医学部を受けてしまいました(笑)。東大理?ならたとえ落ちたとしても、そんなに文句を言われないだろうという思いもありました(笑)。眼科を専門にしたのは、私自身が強い近視だったからです。ある日近視について医学部図書館で詳しく調べたら、近視が強いと緑内障や網膜剥離になる確率がかなり高いことがわかり、これは大変だと怖くなったのです。自分が眼科医になれば、将来病気になってもなんとかなると思ったんですね(笑)。私自身、常に目に不自由や不安を抱えながら生活してきましたから、目で困ったことがない医師よりは、患者さんの気持ちを理解できると思います。
最適な医療を、安全に、心温まるホスピタリティーを持って確実に提供することです。クオリティーとセーフティーは医療に絶対必要な2本柱です。さらに、患者さんの生き方を大切にしたより良い医療を、人として温かな心で提供できる病院でありたいと考えています。実は、自分がめざす医療を象徴する甲骨文字を院長室に飾っています。一番上の牛のような文字は心臓の形で、心を表します。内容を要約すると、「心を誠にして之(これ)を行えば、当たらずといえども遠からず」という意味です。ちゃんと真面目に取り組んで入れば、ホームランは打てないかもしれないけど、三振もしない。自分もどこかで世の中の役に立つことができるということですね(笑)。我々のような凡人の生きる道はこれに尽きると思います。
冬はスキーに行きます。スキーは若い方のスポーツというイメージでしたが、今は元気なお年寄りの姿も多く見かけるようになりました。晴れた志賀高原や八方尾根などを見ながら滑っていると、「今何がおきてもいいや」と思うぐらい気分爽快です(笑)。あとは、中国古代史が好きで、よく本を読みます。愛読書は、古代中国の偉人にスポットを当てた小説を得意とする宮城谷昌光氏の著作や、中国の歴史関連本などです。
当院では脳ドックを含めた人間ドックが充実しています。公立学校共済組合の組合員しか受診できないと思っておられるかもしれませんが、どなたでもご利用いただけます。例えば、ドックで使用するMRIはシーメンス社の3.0テスラを導入しています。これはMRIの最高峰と言われる性能です。最新の機器を用いて精度の高い検査する上、専任医師3人、保健師2人、管理栄養士1人と充実したスタッフが揃い、費用は一般的な価格に抑えています。何よりも総合病院のシステムの中にある当院のドックの最大の魅力は、医療との深い連携のもと、予防から治療まで継続した健康管理が可能なことでしょう。世田谷区に住む方々の寿命、健康寿命の延長のために、当院の健康管理システムをぜひご活用ください。